グレンフィディック30年


冷凍庫の奥底で凍ることなく眠る小さな瓶。
シングルモルト  グレンフィディックの30年。
葉巻をくわえて歯をむき出し、親指を立ててニカッと笑う、そんなワイルド感あふれる仕草が妙に絵になる友人からの贈り物です。


数年前、「三十路になった記念に、自分と同じ年月を熟成した酒を味わってみたい」と言って大枚をはたいて購入したそうです。
そして、私がウィスキー党だということを知ってかおすそ分けしてくれました。
100mLはあったと思います。
常温かつストレートであったにもかかわらず、水のようにすっ…と喉に流れていった、あの棘がないまろやかさは今でも忘れられません。
その後少し考え、1/3くらいをじっくり味わったあと、残りの2/3を手持ちの小瓶に詰め、冷凍庫に入れました。


この小瓶を再び開ける時は、独身最後の夜か、自ら命を絶つ時です。