パーシャルマッシングに挑戦!

今日は私の誕生日です。わーぱちぱち。
・・・で今日は、私生誕33周年企画、麦芽からのビール作りに挑戦です。
元々はハードディスク6TB追加作戦をやるつもりだったのですが…
まぁいいや、記念になるし。
今までのインスタントな作り方とは違う、本格的なビール作りということで、さてどうなることやら…
…へ? 誕生日なのに彼女とは一緒に過ごさないのかって?
一緒に過ごす彼女がいたら昼間っから酒飲みながらビールなんざ作ってませんて orz


【今回の実験 パーシャルマッシングによるビールの仕込み】


0:前知識
麦を発芽させてできる『麦芽(=モルト)』は、麦の粒に含まれるデンプンを糖に分解する酵素を持っている。
この酵素を使って麦自身のデンプンを糖に変える工程をマッシング(=糖化)という。
そしてビールの仕込み方として、半分は市販のモルトエキスを用い、残り半分は麦芽をマッシングしたものを用いて仕込むのをパーシャルマッシングといい、市販のモルトエキスを一切使わず麦芽のマッシングのみで仕込むのをフルマッシングという。(太公望書r アドバンストブルーイングより)


1:材料・機材調達
まずはアドバンストブルーイングさんよりビールキットを調達。
購入したのは『アンバーエール』。
初めての作業なので、あれこれ調べて悩むよりも素直にキットを買ってマニュアル入手したほうが手っ取り早いと考えての行動です。



A4用紙7枚にも及ぶ、手順が詳しく記されたレシピノート。
つか、この解説の丁寧さは想像以上…
万が一の汚損に備えてゼロックス・コピーでバックアップをとります。正直、このレシピノートだけでも価値がありますな。



そして煮込んだウォートを冷やすために、魚市場から調達した氷。
35kgで630円。中央の350mLビール缶を見ればタライの大きさがわかっていただけるでしょうか。
ま、氷なんてあと2ヶ月もすれば天空からいくらでも降ってくるんですがね…


2:マッシング

鍋に水を入れ、74℃まで加熱。
そして麦芽を全量投入。



よくかき混ぜたあと、マッシュが66〜70℃に収まるよう温度を保ちながら90分おくそうですが…
難しいです。
麦芽を入れてかき混ぜたら温度がガクーンと60℃まで下がるし、ちょっと加熱したら70℃突破しやがるし。
それでも66〜70℃に収まるよう努力しました。
あ、ちなみにマッシュというのはお湯とモルトの混合物のことです。




90分後。おそるおそる味見。
うん、甘いです。甘いですが、ベタベタはしてないような…
念のため、30分延長。
…状況変わらず。
ま、甘いですので糖化は成功としときましょう。
このあと76℃に温度を上げ、10分間温度維持。
これ、マッシュアウトといって、糖化酵素の不活性化&麦汁と滓を分けやすくするための作業だそうです。



煮込み用の寸胴にザルをセットし、マッシュをあけて麦汁を回収します。


3:スパージング
この段階では、ザルに残った滓にはまだ糖分がいっぱい残っています。
これを回収する作業をスパージングといいます。
ザルに残った滓を再び鍋に戻し、水を入れて76℃に加熱。
5分おいたあと、先と同じように寸胴にマッシュをあけて麦汁を回収します。


4:煮込み
まず、モルトエキスを全量寸胴に入れます。
続いて水を入れます。今回は10L仕込むので、蒸発分を考慮して12Lにしてみました。
さあ、いよいよ煮込みです。
水飴のように鍋底に沈んでいるモルトエキスが焦げ付かないように混ぜながら加熱。
そして沸騰したら、90分間容赦なく煮込みます。
手加減することなくガンガン煮る、これがポイントだそうです。
しかしここでタイムアウト
今まで台所(特にガステーブル)を占領して作業してましたが、母親からついに「いい加減夕食の支度にかからせろ」と言われてしまい…



急遽隣の洗濯場にカセットコンロをセット。
しかしこれ、火力はガステーブルに及ぶべくもありません。蒸発分の2L、とばせるんかいな…
作ったばかりのミードを飲みながら不安に駆られます。
ともあれ、このあとはレシピどおりに進めるしかないです。
時間通りにホップやアイリッシュモスを投入。
そして煮込み終了後は寸胴に蓋をして15分おいて、香りを抽出します。


5:冷却

煮込みが終わったら一刻も早く冷却です。
早く冷やせば冷やすほどビールの質が良くなるそうです。
なんでも急冷することで不要な成分が凝固沈殿するのだとか。
とりあえず、コンテナに袋をかぶせ、氷をブチこんで水を注いで寸胴ドボン。
外はすっかり暗くなってしまいました。さむい…


6:移し変え
さすがに氷漬けではあっという間に冷えてしまいます。
ものの20分で理想の発酵温度を通り越してキンキンになってしまいました。
家に持ち込み、常温に戻しつつさっそく発酵容器へと移し替えです。
ここで、いつぞやてこずったあのサイフォン再挑戦です。
今回は母に手伝ってもらいました。



おかげですんなり成功!(^^)v
寸胴の底にはホップの滓やよくわからない沈殿物が結構たまってました。
そして発酵タンクに水を少々足して10Lに調整です。
ちなみに作務衣は酒作りにおける私の制服です。


7:酵母投入
イースト投入の前に、レシピに沿ってビール酵母の水和化を。
小瓶に水150mLを入れてレンジでチンしたあと自然冷却。



こうして水を殺菌したあと酵母を全量振りかけて、酵母が元気になるのを待ちます。


その間にウォートの比重測定とエアレーションを。

補正込みで比重1.051。レシピには予想比重1.044とありましたので、やや濃い目ですかね。
味見をしましたが、苦味が強いと感じた以外は特に心配げな雑味は感じられませんでした。



・・・エアレーションも充分。
ビール酵母たちも元気になった。
酵母を投入して、今日の仕込みは全部終了です。
全部で6時間半。長かった…
あとは、保温箱に安置して発酵を見守るとしましょう。



あ。
ここまでやっといていまさらだけど、ふと思ってしまった。
誕生日記念と謳うなら、誕生日に仕込みじゃなくて『誕生日に瓶詰め』のほうがよかったのではないか・・・